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泣きメロ&裏泣きメロ大全

 ●A
アズテック・カメラ。泣きメロと言えばアズテック・カメラ。「Pillar To Post」は泣きメロ度200%の名作。泣きメロファンじゃない人も必聴モノ

ア・サーティン・レシオのセカンドのラストを飾る10分以上の大作。当時「クール・ファンク(醒めたファンク?)」とか呼ばれてましたけど、あんまりファンクって意識で聞いてなかったです。ちっとも弾けないチョッパーベースにパーカッション、イアン・カーティス系の暗く陰鬱なヴォーカル、うーん、つくづくファクトリーの音だなぁ。でもこのあと二流のフュージョンバンドに成り下がってしまうんですよね。悲しい。

日本のじゃなくて [Sexy Boy] がスマッシュ・ヒットしたフランスのエールです。フランス・クラブシーンからでてきたユニットだけど、音的にはアンビエント・テクノまたはイージーリスニング・テクノと云えばいいのか、ムーグ、ヴォコーダ等のアナログ・シンセを中心にしたいわゆるなごみ系。ステレオラブみたいな曲もあるが、全体的にやんわりとした印象でとげとげしさは一切なし。ちょっと物足りなさも感じますが悪くないです。 で、この[Remember] という曲、シンセの使い方とかストリングス・アレンジがELOそっくり!一瞬カバー曲かと思ったくらいもろパク(笑)。というわけで実はムーディ・ブルース、ELO系列が好きな方にお勧め。

 ●B △index
スティーブ・アルビニ率いるドラムレス3人組のラストアルバム。なぜかジャケには横山まさみち(サラリーマン系夕刊でアザラシだの貝だの出てくるエロ漫画)の漫画が使われている。轟音ギターのキレ具合は他のバンドとかなり違う。精神でも病んでそうなキリキリした感覚。そういった意味で音の暴力性はジム・フィータスあたりとかなり通じるものがあるかと。後に正式にドラムスを入れたレイプマン -Rapeman- (これも、みやわき心太郎原作の漫画からとったものらしい)の "Two Nuns and a Pack Mule" も大推薦。

ビーチボーイズ、ELO、ビートルズ…。そんなバンドが思い浮かぶようなザ・ベルボトムズのデビューアルバム。1曲目からいきなりカリフォルニア・サウンドが展開される。コーラスはモロにビーチボーイズ丸出し。いいんですか?こんなんで! ドリーミーで泣きメロだったら言うことありません。3曲目の「ウィンドサーフィン」は、ビーチボーイズの未発表曲と言っても過言ではない(笑)

RIDEファンなら絶対聴いてる、「元祖ドリーミー・バンド」バーズのデビュー盤。全編に鳴り響く12弦ギターとドリーミーなハーモニー、そして泣きメロ。「ALL I REALLY WANT TO DO」「CHIMES OF FREEDOM」など泣きメロ度150%の名曲揃い。

GO-GO'Sのベリンダ・カーライルのサード・アルバム。ヒットチャート受けのいいキャッチーなナンバーが並んでいる。中でも冒頭の「LEAVE A LIGHT ON」「RUNAWAY HORSES」という2曲は泣きメロ度110%と高め。それ以外は普通。

バングルスは、泣きメロと切っても切れない。というのも「IF SHE KNEW WHAT SHE WANTS」はRECKLESS SLEEPERS(Rを参照)こと、ジュールズ・シアーの作曲だし「I NEED YOU」という曲はGRASS ROOTS(Gを参照)の名曲「WHERE WERE YOU WHEN I NEEDED YOU」のカヴァーだからだ。目のつけどころがなかなかイカス。

やっぱり、中期Beatlesははずせないでしょう。"Revolver"には耳障りな音がたくさん入っている。体裁は今まで通りのロックンロールやバラードでも何かそれまでのビートルズと違う異質な音作り。リスナー(ファン)を無視した初めての作品。アヴァンギャル度高し。


 ●C △index
キャラバンの3作目。いわゆるカンタベリー系プログレでございます。カンタベリーには他にソフト・マシーンとかハットフィールド&ノースとかがありますが、個々の初期モノはどれもお薦め。でキャラバンはって言うと、プログレバンドなのに仰々しくない所がエライ。実に淡々としてます。そこがアヴァンギャルド(笑)。リチャード・シンクレアのヴォーカルとデビッド・シンクレアのキーボードが心に染みます。ジャケットも音もふわふわした素敵なアルバムだから、機会があったら一度は聞いてみて。是非。

Stephen Streetプロデュースのアルバム。この当時は彼らのようなギター・ポップバンドが多数いたが、泣きメロ度は結構高め。いかんせんマイナーであったため大した評価も受けずに(日本で何枚売れたのだろう?)消えてしまった。惜しい。

クラウデッド・ハウスといえば「DON'T DREAM IT'S OVER」と応える人が何人いるか。悲しい事に「一発屋」系のコンピレーションCDにも含まれてしまった。確かにあの曲は泣きメロ度が150%と高く「ヒットした」名曲である事は間違いない。しかし、あの曲で全てが語れる訳ではない。このアルバムには「INTO TEMPTATION」というバラード系泣きメロポップと、「DON'T DREAM 〜」を完全に超えている泣きメロ度180%の名曲「BETTER BE HOME SOON」が含まれている。他にも極上のポップ曲が目白押しで、NEIL FINNのセンスが大爆発していると言って良い。いかにオアシス、ブラーが凄いと言っても、殊泣きメロポップとなればクラウデッド・ハウスの足下にも及ばない。CROWDED HOUSE"同"/Capitol/1986もオススメ。


 ●D △index
元祖、ジャーマンテクノインダストリアルミュージックの登場。と、言いたいところだけどテクノはクラフトワーク、インダストリアル(ハンマービート)系はノイ!がやっちゃってるんだよねぇ。すでに。要はテクノとハンマービートのおいしいところを合わせてマッチョ(ハードゲイ)で味付けしたのが、このユニットのコンセプトなのでは。今考えてみれば....、!そう、いま考えれば、です。当時は大好きだったんですよぉ。この人たちの音が。すっかりコニー・プランクにだまされました。

アヴァンギャルドという言葉が一番ぴったりくるのがこの頃のボウイじゃないでしょうか。アメリカからヨーロッパに戻って満を持してのこの作品、オーバープロデュースとの異論もありましょうが、個人的にはボウイ全作品の中でもベスト1、ボウイとブライアン・イーノのbest workと思っております。ヨーロッパの終末感漂う、しかし何かを予兆させる音作り。で、この後 PUNK の嵐が吹き荒れる訳ですね。
<補足>このアルバム発表の後、NICK LOWEはアンサーEPとして“BOWI”を出しました。もちろん当時在籍していたスティッフ・レコードの戦略です(笑)

解散直前のダイナマイツのライヴ。全曲カバーな上、録音状態が悪い。よくこんなモノがあったなぁというアルバム。実はメンバーが所有していたものらしい。山口フジオに言わせると「復讐」との事。このHushは、クーラ・シェイカーよりもカッコイイかも…。

ドッジーのサードアルバム。ブリットポップ界の中ではオアシス、ブラーよりも遥かに泣きメロ度が高いバンド。しかし中心人物のナイジェルが脱退してしまい、とても悲しい。彼の今後の活躍に期待している。

トラヴェリング・ウィルベリーズやジェフ・リンのファンなら要注目のデル・シャノンのラストアルバム。1990年に自ら命を断ってしまった彼だが、素晴らしいアルバムを残してくれた。トム・ペティやジェフ・リンがバックを堅め、泣きメロ度150%の名曲揃い。これを日本盤として出したアルファレコード(現アルファミュージック)偉い!

XTCの変名バンド、デュークス〜。このアルバムの元になっている「PSONIC PSUNSPOT」のアナログ盤は「マーブル」でした。「VANISHING GIRL」は、モロというか当たり前に「XTC」。すっげえ泣ける。泣きメロ度130%の名曲。


 ●E △index
エルビス・コステロです。「PEACE, LOVE AND UNDERSTANDING ?」は、パワーポップ・ファンにもオススメです。実は泣きメロ度もかなり高めです。なお、93年にDemonからリイシューされたCDと日本盤は、ジャケットも違うしボーナストラックもたくさん入ってます。

バーナード・サムナーとジョニー・マーの「エレクトロニック」。このアルバムの2曲目「FOR YOU」はドリーミー度と泣きメロ度が120%で良いです。


 ●F △index
学生時代、個人的3大ギタリストにしっかり入っていたヤン・アッカーマン在籍のフォーカス4作目にして初のライブ盤。彼の華麗なるギタープレイ(サンタナの [哀愁のヨーロッパ] は実は彼のプレイ、...うそです。でも似ている)はもちろん聞き物ですが、リーダーのタイス・ヴァン・リアーもオルガン、フルートそしてあのヨーデル声(爆)で暴れ回っております。選曲もベストの内容で名曲揃い。但し、[Hocus Pocus(日本題”悪魔の呪文”)] はスタジオ録音の方が断然カッコイイのでセカンドの "Mooving Waves" も必聴。ちなみに3大ギタリスト残りの2人はサバスのトミー・アイオミーとホット・ツナのヨーマ・コーコネンでした。
<追記>NHKBSでロックの歴史をビデオで辿る番組にも登場したFOCUS。スタジオライヴでしたがヤン・アッカーマンのレスポールはいい音でした。もちろんヨーデル声も凄いですが唄ってる時の顔も凄かった(笑)

今聴いてもカッコ良いファイブ・サーティ。但し、ライヴは今いちだった。しかし、2曲目の「Psycho Cupid」は泣ける。

フィッシュモンキーマンのシングル。泣きメロ度高い。


 ●G △index
フォーク調の憂いのある泣きメロが特徴のグレイプス・オブ・ラスのサードアルバム。プロデュースはアントン・フィア。今にも消えてしまいそうな雰囲気の柔らかさが特徴でこのアルバムは名曲揃い。このあとアルバムを一枚発表した後解散したが最近GINGERとして復活し、あいかわらずのフォーク調を維持している。ただし泣きメロ度・ポップ度は低い。

60年代のバンド、グラスルーツのコンピレーション盤。日本でCMソングにも使われた「今日を生きよう(LET'S LIVE FOR TODAY)」が有名。この曲はショーケンの在籍していた「ザ・テンプターズ」でも歌っていたな。「シャラララララ、おまえが〜、シャラララララ、好きだよ〜」って歌っていた。「WHERE WERE YOU WHEN I NEEDED YOU」は泣きメロ度180%の超名曲なので要チェック! REDD KROSSにカヴァーして欲しい。

“四人組”です。ゴリゴリのアンディ(まさかり奏法)ジルのギターが凄い。太鼓がポコポコしてるのはご愛嬌。当時はこれが流行の音録りだったんでしょう。でも、ギターとベースはかっちょイイです。このバンド、ファンクな匂いをプンプンさせた2作目の "Solid Gold" まではいい音出してたんだけどね。再発CDのバックスリーブにはレッチリのフリー、R.E.Mのマイケル・スタイプが熱い熱いメッセージを寄せてます。


 ●H △index
ギターポップの真骨頂大爆発なバンド。80年代の「ハウスマーティンズ」も真っ青な"青春ギターポップ"が炸裂しています。たぶん廃盤。
<追記>先日HMVのオンラインショップに彼らのカタログがありました。しかもトイズ盤! 迷わず発注しましたが後日“廃盤で在庫無し”と連絡がきました。残念。

80年代のギターポップを牽引したスーパー"泣きメロ"バンド。ギターポップのスタンダードとも呼べる名曲揃いのこのバンドに説明は不要か?。90年代ももう終わるというのに、このハウスマーティンズを超えるギターポップ・バンドはいないのか。と言うか、ギターポップなバンドは流行らないのか?このアルバムはいわゆるコンピレーションで、ファースト・セカンドから集めたモノ。「Build」「Happy Hour」「Me and Farmer」「He ain't Heavy」など、キング・オブ・ギターポップなナンバーが集まっている。これを聴かずに20世紀は終われない! 全国約20万人(推定)の"泣きメロ"ギターポップ・ファンに送る強力な一枚。ちなみに「He ain't Heavy」は、ホリーズ(69年)やオリビア・ニュートンジョンなんかもやってます。

ホリーズのベスト盤です。デビュー30周年(63年デビュー)記念盤。「I'M ALIVE」「I CAN'T LET GO」など泣きメロ度150%の名曲揃い。なんも言うことないです。

ドリーミー青春ギター・ポップの隠れた名バンド。話題になったのか、日本盤が出たのかもう覚えていないが、とにかく全編泣きメロ度が高い。中古盤屋で見つけたら即ゲットもの。大スイセン! プロデュースはミッチ・イースター。

ドイツのプログレバンド「カン」のオリジナルメンバーだったホルガーチューカイの必殺の名曲。サントリーウィスキーのCFにも使われましたね。環境音楽とも当時流行っていたワールド・ミュージックともつかない短波小僧狂喜乱舞の音楽。


 ●I △index
 ●J △index
最初聴いたときにひっくり返ってしまった一枚。何にひっくり返ったかというと、彼の鼻つまりの歌声がエルビス・コステロそっくりだったから。楽曲も初期コステロ風なポップ・ナンバーが集まっており泣きメロ度も120%と高め。他のアルバムは結構暗めで唯一このアルバムのポップ度が非常に高い。

北国(スコットランド)あたりのバンドかと思ってたらアメリカだったのでびっくりしたジュディバッツのセカンド・アルバム。4枚目でやっと日本盤が出ました。泣きメロ度は70%と高くないが、「次のアルバムこそ!」と期待させるギターポップバンド。4枚目のオビには「R.E.M. MEETS DEACON BLUE」とある。これでわかる人はわかるんでしょう。THE TRASH CAN SINATRASのファンなら必聴!

タイトル通りシャープ!なアルバム。ソリッドでこの時代に相応しい音。そしてカッコイイ。「IS SHE REALLY GOING OUT WITH HIM?」はサビが泣ける。

ライ・クーダー、ニック・ロウなどが参加したジョン・ハイアットの8枚目。「TIP OF MY TONGUE」はカントリー調ながら、泣きメロ度110%の名曲。う〜む、アメリカの心。

ジェリー・フィッシュ。このアルバムの3曲目「THE KING IS HALF-UNDRESSED」はパワーポップで泣きメロな名曲。

この中で唯一のジャズCD。といっても音的にはかなりファンク・ロック寄りだからご安心を。ウルマーおじさんは凄いギターを弾きます。グローブの様な大きな手でセミアコをゴリゴリにかき鳴らします (Gang of Four のアンディ・ジルもセミアコでした。ゴリゴリ系はセミアコか?)。ギター=ウルマーおじさん、ベース=アミン・アリ、ドラム=ロナルド・シャノン・ジャクソン、サックス=デビッド・マレイという知ってる人は知ってる凄いメンツが壮絶なインプロビゼィションでバトっております。

変態白タイツ親父イアン・アンダーソン率いるジェスロ・タルの4作目。当時のプログレ・バンドお得意の両面1曲(笑)
曲構成、演奏ともグッド。ジャズっぽいよね、この人のフルートは。ブリティッシュ・トラッド好きな人にも絶対お薦め。そういえばこの白タイツ、ゼップのロバート・プラントと犬猿の仲でお互いぼろカスに言い合って、音楽専科(若い人は知らないよね、廃刊になった音楽雑誌)とかミュージック・ライフにゴシップ記事のように載ってたのを記憶してます(笑)

イアン・カーティス存命中のラストシングルになった曲(たしか)。歌詞がすごいです。切なくなります。当時真っ暗バンドって印象が強かったけれど、今聞くとそうでもない。それは残ったメンバーの後々の活躍を知ってるからなのかどうか...まあ、ナイン・インチ・ネイルがバカ売れする時代ですからね。時代は変わる、です。今も変わらず好きなバンドのひとつ。


 ●K △index
このバンドももっと評価されていいと思うんだけど。もし知らない人がいたら、後期クリムゾンとアメリカン・オルタナの空白の時間を埋める音って言ったら聞きたくなるでしょ?そうでもない?じゃ、ジャズ・コールマン、ポール・レイブン、ピッグ・ユースらが「ニューウェイブ」と言われた時代に創りだした最高のハードメタルロック、って言ったら聞きたくなった?ぜんぜん?うーん、隠れたところで凄い影響を与えたバンドだと思うんだけどねぇ。ファースト、セカンドはメタル小僧必携の逸品。セカンド発表後(ピッグ・ユースが脱退!)トロントでのライブ6曲入りMini-LP(["Ha" kiling joke live] EG/1982)も超強力。

Nick Loweプロデュース。60年代風サウンドで泣きメロ度も文句なしのギターポップ・バンド。ヴォーカルの女性は日本通なのかそれともバッド・フィンガーファンなのか知らないが、一部日本語も混じっている。今頃頑張っていればプリテンダーズ並になれた気もするが、セカンドアルバムではそのポップ度が下がり楽曲も今ひとつで、その後消息不明。しかしこのファースト・アルバムは今聴いても涙モノである。Heavy Weather TrafficはアコースティックなThe Whoという感じ。聴けばわかる。

最新アルバム。やかましくてゴキゲンです。ジャケットでは、ダグ・フィーガーが12弦のリッケンバッカーを持っていますが、それだけでもう十分ですね。曲はもちろんメロディアス、演奏とくにドラムがやかましいので、買って聴いてね。

キッス。リミックスされていますが「HARD LUCK WOMAN」は泣きメロ度120%と高めです。

このコーギスについては知識がありませんが、ドリーミー度と泣きメロ度が高く、「IF I HAD YOU」「EVERYBODY'S GOT TO LEARN SOMETIME」などが泣きメロ度が110%と高めです。

ハードコア・メタルやいわゆるグランジ系(古い!)を聞いている若い人が初めてこの曲を聞いた時、果たして24年前に作られた曲だと思うでしょうか?ロバート(お猿顔)フリップの創った一大プロジェクト、キングクリムゾン集大成の冒頭を飾るにふさわしい曲。ラストの[Starless]も大推薦。この頃のフリップのギターが一番暴力的だったかも。
下は当時のラインナップ、
ROBERT FRIPP: GUITAR AND MELLOTRON
JOHN WETTON: BASS AND VOICE
BILL BRUFORD: PERCUSSIVES
with:
DAVID CROSS: VIOLIN
MEL COLLINS: SOPRANO SAXOPHONE
IAN McDONALD: ALTO SAXOPHONE
ROBIN MILLER: OBOE
MARC CHARIG: CORNET
うーん、集大成らしいすごいメンツ。


 ●L △index
ワナダイズ、ポウジーズというバンド名が浮かんできそうなフィンランドのバンド。パワーポップ全開で良い。

ラヴ・ナットのセカンドアルバム。Ed Stasiumプロデュース。なんかポウジーズの曲のピッチを挙げたような“かっとびサウンド”や、スミザリーンズやシアーズを彷彿とさせるヘヴィーなギターリフが特徴。新星堂などではパンクの棚に置いて在る。いくらビッグ・ディールだからといって、それはないぜ! パワーポップの逸品。

アルバムはこれ一枚の言わずとしれたラーズ。L.A.Mavesの才能は「THERE SHE GOES」一曲だけで充分伝わってくる。名盤。再発になり、ボーナストラックも付いた!

大好きなEd Stasiumプロデュース。アメリカン・ロック大爆発だが、「I WANT YOU BAD」なんかは、12弦ギター鳴りまくりな「バーズ・ミーツ・パワーポップ」って感じのごきげんなナンバー。スミザリーンズにも通じるセンスあり。

ライラック・タイムのサードアルバムは、アンディ・パートリッジ(XTC)プロデュース。ジョン・レッキーも数曲プロデュースしている。「ALL FOR LOVE AND LOVE FOR ALL」はドリーミーな泣きメロポップ。名曲。

イアン・ブロウディのユニット。ドリーミー度が200%と高く「PURE」「GOD HELP THEM」は泣きメロ度高いです。電子的な音づくりですがギターポップファンにもオススメ。


 ●M △index
元バズコックスのハワード・デヴォートが結成したマガジンの3作目。ハワード・デヴォートで語られることの多いマガジンですが、他にもキラ星のようなギターを弾くジョン・マクガフとか、後にバッド・シーズやソロでいい仕事をしたベースのバリー・アダムソン、デヴォートの盟友キーボードのデイブ・フォーミュラ等、センスあるミュージシャンがおりました。ロキシーの遺伝子を確実に引き継いだバンド、最高にカッコ良かったです。ベスト盤 "Rays & Hail 1978 - 1981"(COM CD5)/Virgin/1987 も入門編として最適。

60年代のビート・ポップ直系バンド。R&Bに傾倒したヴォーカルが良い。タンバリンも鳴って、ハッピーな気分になれる。ちなみにHIDEも絶賛していたらしい。

あぁ、惜しい。いいんだけど泣きメロ度がもう少しあれば良かったのに。日本盤も発売されました。


 ●N △index
ニック・ロウはただの「ロックンロール・オヤジ」じゃないです。スウィートなポップソングを創らせたら右に出るモノ数名なほどのセンスの持ち主です。特に「CRUEL TO BE KIND(邦題:恋するふたり)」は泣きメロ度250%(ちなみに300%の曲はSmithreens)の名曲。これを聴かずしてポップソングは語れません!

トッド・ラングレン"ファンには説明不要のNAZZ。そしてこれもまた説明不要の「HELLO IT'S ME」。永遠のポップソングです。

Joy Division から脈々と流れてきたものがこの曲で完成されたといっても過言ではないでしょう。イアン・カーティス亡き後、売れ線のエレ・ポップに移行したと思われがちですが、後期の Joy Division を聞けばわかるように、もともと内包していた要素を残ったメンバーが引き続き丹念に作り上げていった結果の産物。このメジャーとマイナーの中間にいるような感覚が好きだった。 必見のビデオクリップは、ニューヨークのビジュアル・アーティスト、ロバート・ロンゴの作品。めちゃカッコいい!

ex.Barthday Party の暗黒大王です。本当のお薦めと言ったら"Tender Play"の[marchy sheet]あたりでしょうが、聞きやすさからいったら、こちらでしょう。この作品あたりからNickはまるくなってきた、といった批判も聞かれていますが、どうしてライブなんぞは相変わらずブチキレです(Fuji Rock Fes.で確認済み)。そのライブレパートリーの中に必ず入っているのがこの曲です。歌詞もいいです。入門編として。


 ●O △index
 ●P △index
伝説のバンド、Pop Group でベース担当のサイモン・アンダーウッドを中心に結成。Pop Group から派生したバンドでは他に、Rip,Rig & The Panic なんてバンドもいました(準メンバーにあのネネ・チェリーも)。フリーキーな面もありましたが、基本はファンクやラテンを基調にしたホーン・セクション全開のパワーダンスミュージックです。ア・サーティン・レシオ同様「ファンク」がキーワードだったんですね、この時代は。ただいかんせん曲の善し悪しにあまりにもばらつきが...。アルバムの曲がシングルと同レベルだったら、と思うと残念でなりません。そうそう、この曲ホンダ・タクト(スクーター)のCMにも使われましたね。ベスト盤(輸入)に入ってると思います。

「jean's not happening」のプロデューサーはIan Broudieなんです。こういう甘酸っぱい曲をやらせたらいい仕事しますね。もちろんマイケル・ヘッドのメロディー・メイカーとしての才能あっての事なんですけど。泣きメロ度200%でアズテック・カメラ真っ青の青春ギター・ポップ。

うーむ、サイケデリック・ファーズって「PRETTY IN PINK(世界でブレイクする前にファンの間では超名曲だった)」だけじゃないんだな、と感じさせるコンピレーション・アルバム。泣きメロ度はとても低いし、変化球だらけだけどキラリと光るセンスあり。

バッド・フィンガーですな。絶対バッド・フィンガー。でもパイロットなんです。パイロットが好きな人は絶対バッド・フィンガー好きなはず。だって同じくらいポップで泣きメロで、スウィートなんだもの。ザ・バンカース↑の垂井氏もオススメ(していた)。

PRETENDERSといえば「KIDS」。泣きメロ度は120%と高めで、このデビューアルバムは全英チャートナンバー1です。


 ●Q △index
 ●R △index
すいません。このバンド、詳細がよくわからないんです(紹介しておきながら!)。カテゴリーから云うとネオ・サーフミュージックになるのかな。腕の立つスタジオ・ミュージシャンが余技で作った音っぽいんだけど。ジャケに写ってるメンバーもオッサンだし。どうなんでしょうか。知ってる人いたら誰か教えて。すべてオリジナルインスト・ナンバー。カッコいいです。
<補足>そういう時は“ALLMUSIC.COM”へ行こう。英語だけど紹介されてます。
ALLMUSIC.COM

女性ヴォーカルのギター・ポップバンド。KATYDIDSに通じる所がある。一曲目の「Dreaming?」だけが唯一の泣きメロ度を発揮している。

ご存知、元祖轟音ギター・ポップバンド。このアルバムの二曲目「Twisterella」を評論家が「轟音アズテック・カメラ」と表現した。素晴らしい、それだけでも聴く価値がある。轟音度・泣きメロ度共に200%の傑作!。ちなみに「SMILE(通称・紫ライド)」の"LIKE A DAYDREAM"と共に聴くべし。轟音度・泣きメロ度に加え「ドリーミー度」が加わることうけあい。

レオ・セイヤーまで出してしまうと範囲が広がってしまうけど、まあいいか。レオ・セイヤーについてはあまり良く知りませんが「ペケ・アモーキ」氏がオススメしてくれたのがきっかけでハマってしまいました。「ONE MAN BAND」「WHEN I LOVE YOU」「TRAIN」など泣きメロ度120%の名曲揃いです。
<ちょっと長い補足>
レオ・セイヤーを知ったのは、中坊の頃スリードッグナイトがカバーして大ヒットした "Show Must Go On" を聞いてからで、原曲の方は彼らのアレンジに比べ、かなり地味。日本では(アメリカでも)カバー曲につられて多少ヒットした、という印象が強かったと思います。でもその頃、東京音楽祭(!)に出演するため来日して、TVで見たあの独特の高音のシャウトは強烈にボクの中に残りました(それと彼の身長が低かったこと、もしかしたらプリンスより低いかも)。人生の負け犬の歌を唄わせたら、この人の右に出る者はいないでしょう。 その"Show Must Go On" が入っている1stの「Silver Bird」と 2nd の「Just a Boy」は全曲デビッド・コートニーが作曲、レオ・セイヤーが作詞と、ちょうど役割がエルトン・ジョン/バーニー・トゥーピンと逆の関係のソングライトチームでした。コートニー/レイヤー作品は、初期のニルソンを彷彿とさせるやるせないノスタルジーにあふれた作風で、シンプルなアレンジながら楽曲の完成度は非常に高いと思います(ザ・フーのロジャー・ダルトリーが初ソロ作で何曲か彼らの作品を歌ってます)。ただし、この名コンビも「Just a Boy」までで、次作の「Endless Flight」からは複数の作曲家に依頼し、アレンジもゴージャスになって "You Make Me Feel Like Dancing(全米1位)" や "When I Need You" 等が大ヒットしましたが、彼が成功と引き換えに魂を売ってしまったような気がして、それ以降聞かなくなってしまいました。 類いまれなヴォーカリストでもあるレオ・セイヤーの代表作といえばもちろん先に挙げた 1st と 2nd ですが現在、オリジナル11枚は全て廃盤で、特に初期の2作はCD発売すらされていないのが現状です。せめてこの2枚くらいは再発してほしいものです。ベスト盤としては比較的購入しやすいクリサリス盤が1枚(denim氏推薦)と、ライノから2種類出てますがその内の「The Show Must Go On : Anthology」は初期の2作から10曲入っているのと、「Endless Flight」以降1作だけコンビを組んだコートニー/レイヤー作品が聞けるのでお勧めします。中古屋で見つけたら即ゲットだじょ。 (ぺけ・あもーき)

ロックパイルを忘れちゃダメですね。ニック・ロウとデイヴ・エドマンズの二人が中心になってます。Rock'N Roll丸出しですが、モータウン調の「HEART」は絶対はずしてはいけないナンバーです。明るい曲調ですが、もの悲しい不思議な雰囲気です。それと「NOW AND ALWAYS」という名曲を聴いて泣けない人はいないでしょう。泣きメロ度は当然180%。後半になると「EveryBrothers」のカバーになってます。

Jules Shearのバンド。フォークロック調の名曲「IF WE NEVER MEET AGAIN」は泣きメロ度250%の超名曲!。この1曲だけも聴く価値がある。長いようで短い人生の中でこんな名曲が1曲でも書ければ幸せだと思う。ロジャー・マッギン(↓)もカヴァーしている。

この当時(1990)は多いですね、青春ギター・ポップ。はじけそうではじけないメロディ。惜しい。

「ひとりバーズ」こと、ジム改めロジャー・マッギンの1991年アルバム。全編にバーズ・テイストが溢れ、エルビス・コステロなどが曲を提供している。しかもバーズ調! RECKLESS SLEEPERSの名曲「IF WE NEVER MEET AGAIN」も12弦ギターが鳴りまくり、ドリーミー度が40%はアップしている。泣ける。

聞きやすさでいったらアヴァロンでしょうけどね。ごめんなさい。ロキシーファンとしてはこだわらさせていただきます。フェリーおじさんの新らし物好きとナルシスが、居心地悪さと気持ち良さが渾然一体となったこのロキシー3作目のラストの2曲。絶対お薦めです。好き嫌い出るだろうけど。


 ●S △index
羊しかいないと思ってた(うそ)ニュージーランド出身の6人組のセカンド。Crowded Houseとはまさしく兄弟バンドです。特にA面がお薦め(アナログ盤しか持ってないもんで)。ニュージーランドっぽさ(どういうんだ?)じゃないけど、ヨーロッパともアメリカともつかない、どこの国でもないこの人達にしか出せない味というか、普通のポップ・ロックをやっているようで紙一重で違うという、なんとも形容しがたい音楽です。ジャケの方は思いきり遊んじゃってます。バカバンドの乗り。ちなみにプロデュースはフィル・マンザネラ。最近、輸入盤でちらほら見かけます。お試しを。

カナダ出身の不遇(失礼)バンド。「カナダ版DODGY」って感じがするけど「となり町のDODGY」っていう方がぴったりかも。ポップ・センスは抜群。泣きメロ度はやや低いが、SQUEEZEファンは必聴。そして「GRASSROOTS」にも近いものがある。

なんか今聴くと「DODGY」に似てますね。特に「REVUE」って曲はモロにDODGYって感じがします。あっ逆か? これは泣きメロ度が150%と高め。当時はニューウェイブってくくりだけど、正にこれぞ「ブリット・ポップ」なのでは? すっげえカッコイイ! DODGYのナイジェル・クラーク(既に脱退)は、きっとスクイーズ・ファンだと確信させる一枚。"EASTSIDE STORY.."/A&M/1981の「IS THAT LOVE」も泣きメロ度130%とオススメ。

大好きな音づくりをするEd Stasiumプロデュースのバンド。ダブリン出身の4人組は「パワー・ポップなU2」という雰囲気。ロス録音のせいなのかどうか知らないが、U2に比べて遥かに明るい楽曲。ポウジーズやドッジーとも充分に渡り合えるセンスがあるのに、時代が悪かったのか。これが1998年だったら間違いなくブレイクしていたに違いない。パワー・ポップ、ギターポップ・ファン必聴の一枚。

スウィートご存知ですか?1976年は深夜放送とか聴いていませんでしたか?ヒットしましたね「フォックス・オン・ザ・ラン」や「アクション」は。知ってましたか?スウィートって英国出身なんですよ。米国じゃないんですね。「フォックス・オン・ザ・ラン」は、やかましいしヘヴィーだけど泣きメロ度120%と高めです。REDD KROSSとかカヴァーしてくれないかな。

轟音度の低いTEENAGE FANCLUBとも表現できる。グラスゴー出身でメロディはA級。「BARFLY」はスウィート・ポップで泣きメロ度は80%。“PALM TREE”ではメンバーが一新し、ちょっとテンションが下がった感じ。ガンバレよ、ジョー!! 応援してるぞ。

ドリーミー度150%時代のストーン・ローゼス。素晴らしい。「SHE BANGS THE DRUMS」「ELEPHANT STONE」と永遠の名曲が収録されている。ジョン・レッキー&ピーター・フック/プロデュース。マンチェスター軍団の黄金時代でもある。もう10年近く経ってしまうんですね。ストーン・ローゼスと言えば後にも先にもこのアルバムが代表的。不運にもレコード会社の契約問題に巻き込まれ数年間レコードが発表できなかった。問題解決後、無事ニューアルバムも発表されたが、シーンは大きく変わっていた。


 ●T △index
イギリスのTV&映画女優でもある(というかこっちが本業)トレーシー・ウルマンの必殺ロリポップ!さすが女優だけあって、当時同じ路線のコンパクト・オーガニゼーションのマリ・ウィルソンなんかより数段成り切ってました。声質も可愛いし、歌もうまい。カースティー・マッコール等の楽曲も抜群にキャッチー。企画モノだけど本人もスタッフも愛情たっぷりの隠れた名盤です。タイトル曲も泣ける。

ネオ・アコ風ギターポップ・バンド。このファースト・アルバムは名盤。プロデュースはJOHN LECKIE。この頃JOHN LECKIEと言えばハズレがなかった。透明感溢れるサウンドが特徴。未だ現役。

文字化けではない。台湾及び香港方面でかなり人気のある男性「張震嶽」のアルバム。彼の声質はもはやアジア人ではなく欧米人に近いものがある。ハウスマーティンズのP.d HeatonかNick Haywardと言っても過言でない。パワーポップ度はやや低い(ほとんど一人で演奏している)が、スウィート度は180%とかなり高め。但し、中国語系の唄になじみのない人にはオススメできません。新宿高島屋のHMVでは、張震嶽を始めとしたアジアものが手に入ります。

誰がなんといってもトラヴェリング・ウィルベリーズは泣きメロ度が高い。ロイ・オービソンのヘロヘロ声と相まって、ドリーミー度もメチャ高い。「Not Alone Anymore」は泣きメロ度120%の名曲。

女性3姉妹のグループ。爽やかなバングルスという感じ。「You Don't Have To Go Home Tonight」という曲が泣ける。


 ●U △index
ミッジ・ユーロではなく、ジョン・フォックス率いる第一期ウルトラヴォックス!のいわゆるデビューアルバム。ニューウェイヴという枠だが、そんな中にも泣きメロポップは存在する。「THE WILD,THE BEATIFUL & THE DAMNED」という曲は特に泣きメロ度が高い。素晴らしい。

80年代初頭、どこの中古レコードショップにも置いてあったのがアンダートーンズのデビューアルバム(Second Edition)だ。大体980円くらいが相場だった気がする。汚ねえニイチャン達5人を俯瞰目に撮ったジャケットである。ベルファウスト出身というとスティッフ・リトル・フィンガーズだが、アンダートーンズには彼らのような硬派なパンクのイメージはない。かといってこの当時のカテゴリーである「パンク」かというと疑問符がつく。
ようするに当時としては中途半端な存在だった気がする。テンポは一本調子なんだけど「妙にポップ」なのがアンダートーンズの特徴。パンクのコンピレーションには必ずといっていいほど彼らの名曲「Teenage Kicks」が入っていた。それなりにプロデュースすれば泣きメロ度が150%になる曲なのに、敢えてアッサリ歌ってるのが泣ける。詳細なプロフィール付なのでこれ一枚でアンダートーンズの全てがわかる。


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ザ・フーはパワフルなだけではありません。このアルバムに収録されている「SO SAD ABOUT US」のように泣きメロ度も非常に高いのです。


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XTCは変化球も得意ですが直球も凄いです。「Towers of London」「Senses Working Overtime」といった曲は泣きメロ度が130%と高く、タダモノではない事を示しています。この「オレンジ&レモンズ」ももちろん凄いです。「The Loving」は泣ける。

今ではすっかり全編POP万華鏡のXTCですが、このころは実験的な曲を適度にちりばめて”ポップ未来形”の匂いをぷんぷんさせてました。ダブっぽい曲(Homo Safari Series等)もやっておりましたが、その中でも剛球一本勝負のこの曲は演奏自体のテンションも異様に高く、ライブバンドとしての魅力(力量)もたっぷり。たぶん、もう、二度と見れないと思うけど、ライブは....。


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