備忘録

エヴァンゲリヲン新劇場版Q

eva.jpg エヴァンゲリヲン新劇場版Qを観た。
事前情報を頭に入れずに鑑賞したが、予想の斜め上を行く展開にハラハラドキドキの95分だった。
最終話に繋がるヒントらしきものがちりばめられていたが、どんな風に風呂敷を畳んでくれるのか、今から楽しみだ。(次回予告の3Dアニメはちょっとイマイチ...)

作画レベルは相変わらず高く(動きが早すぎてよく分からないが)、設定が変更になった関係でキャラクターデザインに修正がかけられ、TV版に比べると思い切ったリファインである。
ただ、シンジくんのダメっぷりが半端なかった。ドラマ「北の国から」で、成長した純に色々と辛いモノを背負わせる倉本聰のような脚本でした。乗りたくないのに乗せられてサードインパクトを引き起こし、今度は乗りたくて乗ったのに○ォース○ンパ○ト寸前とは...、やることが全部裏目...。

今回のQで「なるほど」と思ったのが「エントリープラグ」の設定。ダイレクトエントリーでの失敗から得られたシステムのようだが、なにげなく観ていたエントリープラグが実は大変な役割を果たしていることを改めて考えさせられた。うーん、よく出来てる。

それにしても、TV版のエヴァンゲリオン(TV版が好きな私は「オ」と表記したい)は画期的な設定だった。
現実(感のある)の世界に、非現実的な巨大ロボットと敵が闘ってしまったらどんな事になるのか...。
という、今まで表現されてこなかった「ロボットアニメ」のディテールを実に上手く描いている。
また、ロボットに操縦者が搭乗して闘う際の衝撃を吸収するシステム(実際の目的は別だが)も的を射ており、「凄いな〜」と感心したものだ。ウルトラマンが元ネタとはいえ、「電源プラグなしでは予備バッテリーで5分しか動かない」なども現代的なアレンジでいちいち納得させられた。

ちょうど空想科学読本が発売された時期にTV版の放映が終了したが、「マジンガーZに搭乗する兜甲児は、車酔い必至だ」とか「怪獣を一匹退治すると、後処理のために消費税が86%にはねあがる」というネタと思い切り重なっており、従来のロボットアニメとは明らかに一線を画する設定であった。

最終話が控えているとはいえ、今回の「Q」では「現実的な日常の中にある非現実」という設定からは大幅に離れてしまい、面白さが減ってしまったと思う人はいるかも知れない。電源プラグがはずれてしまった時に感じるハラハラ感はないし「ビーストモード」もコントロールされている感じがして、こちらもまた「暴走」した時のドキドキ感がない。ストーリー的には、そんな設定さえ不要だったかも知れないと感じさせる。

作画陣のメンツがもの凄くてびっくりしたが、個人個人の特徴が極力抑えられており「このカットは○○さん!」というのが分かりにくくなっている。ある意味プロダクツとして完成度が高いとも言えるが、鋼の錬金術師FAで大活躍した「亀田祥倫」くんの作画を見に行った自分としては、少し消化不良。思い切りのよい「亀田アクション」を観たかった。まあ、ブルーレイになったらじっくり観ようと思う。

制作者側の視点で考えると、TVベースの話しをまた焼き直すより、新しいエヴァンゲリオンを見せたいと思う気持ちがあると思うので、今回の「Q」ような改編は大歓迎。
ただ、エヴァンゲリオンの楽しみ方は人それぞれなので、人によっては今回のエヴァンゲリオンを「これは違う」と思うかも知れない。 次回の最終話が終わった後に、新設定による新作シリーズ(ガンダム形式)も視野に入れておいた方がいいような気がしてきた。
若いスタッフたちの手によるエヴァンゲリオンも観てみたい気がする。

エヴァンゲリオンTV版が「ファーストインパクト」だとすると、エヴァンゲリオンを超える「セカンドインパクト」的なアニメがいつか観られますように。
※写真は、クリスマス時期に無料で配っていたポストカード。

Dec 27, 2012 23:32

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