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-->Bram TchaiKovsky
 ●オススメの1枚
ダサイ黒Tシャツが特徴のザ・モーターズ。ごきげんなロケンロールでかっ飛ばす“Dancing The Night Away”は、この時代にしか出せない“70年代型パワーポップ”の象徴的なサウンド。


THE MOTORS DISCOGRAPHY
text by denim and ×Amoki(The Motors 1)
1. The Motors 1
(1977 Virgin)
@
<Players >G/Vo-Nick Garvey, B/Vo.-Andy McMaster, G-Bram Tchaikovsky, Dr.-Rick Slaughter
パブロック〜パンクの一翼を担っていたダックス・デラックスのメンバーであったニック・ガーヴェイとアンディ・マクマスターにより1977年2月に結成された“ザ・モーターズ”のファースト・アルバム。詳細は後日掲載予定。

2.Approved By The Motors
(1978 Virgin)
@Airport AMamma Rock'N'Roller BForget About You CDo You Mind DYou Beat The Hell Outta Me EBreathless FSoul Redeemer GDreaming Your Life Away HSensation IToday JPicturama KThe Day I Found A Fiver
<Players >G/Vo-Nick Garvey, B/Vo.-Andy McMaster, G-Bram Tchaikovsky, Dr.-Rick Slaughter
@Airportが全英ナンバー1ヒットし、おかげでアルバムも英国だけで235,000枚以上を売り上げた、まさに“モーターズで最も売れた”アルバムだった。このアルバムの特徴はAirportに代表される“キーボード”が前面に押し出されたサウンド。BForget About Youも大ヒットしたが、これなどははっきり言って“KISS”だ。明るいKISS(笑) こんなに明るくてキャッチーでいいんでしょうか? ギターがそれほど強調されていないので、バンドっぽくない曲という印象も受ける。まあ他の楽曲が結構ロケンロールだったりするので、バランスはとれている。DYou Beat The Hell Outta Meなどはまさに“モーターズ・テイスト”が溢れているナンバー。FSoul Redeemerはデイヴ・エドマンズやロックパイルのナンバーと言っても通用するだろう。HSensationはブラム・チャイコフスキーもクレジットされていて、彼がのちにやる“Let's Dance”という曲に似ている。この曲もモーターズらしくパワーポップなナンバー。JPicturama KThe Day I Found A Fiverはボーナストラック。
アルバム発表後、ブラム・チャイコフスキーが脱退。ジャケット画像は日本盤のもので、シングル“Sensation”のジャケット写真が使用されている。

3.Tenement Steps
(1980 Virgin)
@Love And Loneliness AMetropolice BModern Man CThat's What John Said DTenement Steps ESlum People FHere Comes The Hustler GNightmare Zero
<Players >G/Vo-Nick Garvey, G/Vo.-Andy McMaster, with B-Matrin Ace, Dr.-Terry Williams
ブラム・チャイコフスキー脱退後、モーターズは解散の危機に追い込まれ活動中断を余儀なくされる。1年半後、オリジナルメンバーがニックとアンディだけの“新生モーターズ”が生まれる。メンバーは固定されておらず、後にロックパイルに参加するテリー・ウィリアムズとマーティン・エースが起用された。
そして発表されたサードアルバム。シンセサウンドのイントロが特徴の、ごきげんなパワーポップ・チューン@Love And Lonelinessで始まるこのアルバムは前作以上にシンセが導入されており、続くAMetropolice、BModern Manもそういうナンバー。CThat's What John Saidはシングルにもなった、ソウルフルなヴォーカルが印象的なバラード・ナンバー。まさかモーターズがこんな曲を演るとは思ってもみませんでした。もう何でもありだな(笑) と思っているとシンプルでドラマティックなナンバーDTenement Stepsみたいな曲もある。これを聴く限り、ロケンロールなモーターズから随分と変化したなと感じる。FHere Comes The Hustlerと合わせて聴くと“スクイーズ”に近いテイストも感じられる。

4.AIRPORT-THE MOTORS' GREATEST HITS
(1995 Caroline Records)
@Dancing The Night Away ASensation BAirport CMetropolice DLove And Loneliness EForget About You FEmergency GTenement Steps HToday IFreeze JThat's What John Said KYou Beat The Hell Outta Me LSoul Redeemer MCold Love(LIVE) NTime For Make Up OLove Round The Corner PHere Comes The Hustler
<Players >G/Vo-Nick Garvey, B/Vo.-Andy McMaster, G-Bram Tchaikovsky, Dr.-Rick Slaughter, with B-Matrin Ace, Dr.-Terry Williams
モーターズのベスト盤。特筆すべきは@Dancing The Night Awayがアルバム・ヴァージョンであるということ。この曲はコンピレーションによく入っているが、それらは全てシングル・ヴァージョンである。ファースト・アルバム以外ではこのヴァージョンが聴けないのでとても貴重。
それにしてもこうしてベスト盤で聴くと、ニック&アンディのソングライティングの力は凄いと感じる。ロケンロールなナンバーからエレ・ポップ風ナンバー、そしてバラード…。自分で唄いたい気持ちはよくわかるが、ヴォーカルの表現力が今一つ弱いことと、声質が“ダミ声系”なので幅広い曲調についていけてない部分もある。もしも優秀なヴォーカリストがいたなら、もっと続けていただろうしもっとヒット曲も生まれていただろう。バンドとしては短命だったがブラム・チャイコフスキーという、まさに“モーターズの魂を引き継いだ”グレイトなバンドが生まれたことは唯一の救いだろう。ブラム・チャイコフスキーも結局80年代にちょっと足を踏み入れた所で終わってしまったが、モーターズと共に70年代を語る上で忘れてはならないバンドである。



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